不正咬合の原因(Etiology of maloclusion)11

不正咬合の原因(Etiology of maloclusion)11

2.環境的原因(Environment)

1.先天的原因(Congentical causes)

1)発育障害または欠陥と考えられるもの

(4)舌の形態異常

a, 大(巨)舌症(Macroglossia)

極度に大きく常に口腔外に出ている場合のほか判定はきわめて困難です。
しかし空隙歯弓(とくに下顎)や開咬の場合、舌側面にはなはだしく歯型が印記されるようなときには注意が必要です。また舌の血管腫(Angbma)との鑑別が必要です。

b.小舌症(Microglossia)、無舌症(Aglossia)

きわめてまれです。

2)胎児および母体に与えられた諸種の圧力および外力

胎児は母体内において正常な場合においても相当な圧力を受けているはずですが、それが子宮の大きさ、あるいは胎児の姿勢によっては一部に異常な圧として、むしろ外力として圧迫を加えることになると考えられます。とくに子宮が狭少でありかつ羊水が少なかったような場合には、これがはなはだしいことはすでに古くから言われています。この圧と胎児の姿勢から招来される歯学領域の不正についても多くの推定がなされ、とくに下顎の変形や突出、後退、あるいは開大、狭窄がおこり、さらに胎児の手の位置がこれらのことを助長するとされています。

3)母体の健康状態および栄養

胎児の発育は母体の状態いかんによって大きく左右されるのは当然のことですが、とくに注意しなければならないのは特殊性炎症や妊娠中の諸中毒、発疹を伴う各種高熱病などでしょう。これらの疾患がある母体より胎生全期にわたって栄養を供給せられる場合には胎児に当然その影響があることは容易に想像できます。まして母体の栄養が低下した場合には、さらにその影響が強烈であると考えられます。これらの影響は胎児の成長に関係あることはもちろんですが、その発育にも大きく関係することは当然です。

以上に述べた遺伝学的原因にせよ、先天的な原因にせよ、これを直視して解明することはきわめて困難であり、さらにこれらの原因によってひきおこされた症状が、出生後ある時期に至って発現するような場合もあり、重要な問題ではあるが現在においても未だ概念的にしか考究されていない部分がはなはだ多いことはきわめて残念なことです。