不正咬合の原因(Etiology of maloclusion)7

不正咬合の原因(Etiology of maloclusion)7

1.歯学とくに矯正学領域における遺伝(Heredity)

上顎側切歯の正常型より矮小型に至る変異的個体差を8階段に分類して家系的に研究を行った結果、親子同胞間の個体差には密接な類似性があり、かつ明らかに遺伝すること、図7-3のFl~F2程度の場合では、その同胞における異常はきわめてまれであること、しかしF3~F8のあるような場合は、同胞の約50%においてF3~F8をみるようであること、また、矮小形態または欠如などの形態異常の原因条件と考えられる因子は因子効果の表現度についての不確定性があると考えられること、しかして矮小および欠如をおこすと考えられる発生学的、遺伝学的(困子または遺伝子)には本質的に共通したものがあると考えられると結論しています。

p104_01

以上の論旨につくされるように形態異常などを取り扱う場合に、正常に近いものは正常形態にもどりやすく、強い矮小傾向は欠如に関係があることで、ある異常形態を発見した場合それと同様な形態のみにこだわると、あるいは家系的研究において不確実な結果を得ることがあることには十分注意すべきだと思われます。

今まで述べてきたように、歯科学とくに歯科矯正学の領域における遺伝は非常に多方面にわたり観察されるところであるが、まず致命的な遺伝現象は観察されず、形態的な小異常などは術工物による技術的作業によって、少なくとも外観的には修復される場合が多くあります。

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