3.矯正治療の目的とその目標-4

3.矯正治療の目的とその目標-4

1.不正咬合によってもたらされる障害について

7)補綴作業を困難にすることがある

傾斜歯、歯間空隙、喪失歯などの存在は補綴処置を困難にする場合があり、優れた修復物の製作を不可能にすることがあります。これは審美的にも機能的にも望ましいことではありません。こうした症例に対しては簡単な矯正治療を応用することによって、よりよい歯科医療を提供することができます。

8)顎関節の障害をおこすことがある

安静位から咬合位に移る場合に、不正咬合があると、ときに咬頭干渉、早期接触などによって顎が異常な方向に誘導され偏位を余儀なくされることがあります。長期にわたってこのような状態が続くことによって、顎関節の障害をおこすこともあり、高度の過蓋咬合などのために顎関節の違和感や疼痛を訴えることもあります。

9)筋肉の行動型に影響を与える

舌を含めて口腔周囲筋の形態と行動型とは発音、咀嚼、嚥下その他の機能に大きな関係をもっています。その異常な形態や行動型が不正咬合の成立に関与することもあるし、逆に不正咬合の存在が筋の形態や行動型に影響を与えることもあります。たとえば上顎前歯の前突があって上下唇の閉塞が困難であることが、口腔周囲筋の異常な行動型をひきおこしたり、開咬が固有口腔の閉塞を困難にする結果、異常嚥下行動をおこしたりすることはまれではありません。この異常な機能と形態との悪循環は不正咬合の増悪をもたらします(図3-3)。

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