3.矯正治療の目的とその目標-6

3.矯正治療の目的とその目標-6

2.矯正治療の目的と目標

矯正治療の目的は咬合の改善によって生理学的ならびに心理学的な障害をできるだけ取り除いたり、解消することにあります。不正咬合が改善されることによって多くの利益がもたらされることはもちろんですが、一方矯正治療そのものが内包するいくつかのデメリットを知ることも重要です。

たとえば、矯正装置の長期にわたる装着による口腔自浄性の低下とそれに伴うカリエス、歯周疾患の誘発、歯根吸収の可能性、治療に費される時間と財的負担などを考慮する必要があります。したがって最小限度のデメリットで大きな効果をあげ得る手段方法(技術)が講じらるべきです。

また改善された咬合が以上の障害を取り除いて事足れりとするのではなく、進んで口腔疾患の予防や健康増進につながることが望ましいとされています。

したがって矯正治療の目標は、

1)咬合の改善は単に主訴が解消されたというような主観的効果だけではなく、それが形態学的にも生理学的にも満足すべき咬合であることが必要である

2)得られた咬合が顔貌との調和においても満足すべきものでなくてはならない。単に術者の主観や、統計学的な基準に基づく類型的なものとの比較で評価すべきではなく、患者の個性的なものとの調和でなくてはならない

3)改善された咬合が長く保持され、それによって口腔の健康が増進されるような環境を得られるようにしなければならない。不満足な咬頭嵌咬や歯弓の連続性の喪失などは咬合の保持を危険にさらすのみならず、次の疾患を誘発するおそれがある

4)また舌を含めて口腔周囲筋の機能の改善に向かっては長期にわたる指導、観察が要求される

以上は矯正学的な立場からの矯正治療の目的と目標とについてですが、歯科の隣接領域と提携することによって、よりよき歯科医療を提供することができる場合には進んで参加すべきです。たとえば口腔外科領域との提携によって口蓋裂、顎骨骨折、顎骨形成などに多くの寄与ができます。また補綴領域に対しても多くの技術的、助言的な活動が望ましいとされています。

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