3.矯正治療の目的とその目標-7

3.矯正治療の目的とその目標-7

歯科矯正学に関する教科書について

現在刊行され入手し得る教科書、参考書を下に記しておきます。

1)高橋新次郎:新編歯科矯正学、永末書店,京都・東京,1960.
本邦で今もって刊行され多くの貢献をしてきた唯一の教科書である。したがって本書を編むにあたって記述の内容や順序に対してこの書から多くの示唆をうけている。しかし比較的以前の著書なので新しい情報に欠けているうらみがある.

2)Moyers,R.E.:Handbook of Orthodontics (3 rd Ed,),Year Book Medical Publishers, Chicago,
1973.在学生や一般歯科医を対象として書かれたものであるが、英語で書かれた教科書の中で最も広い範囲の内容を盛りながら、その記述は簡潔で要を得ており、意見も中道で片寄りがなくすぐれた教科書である。なお、本書が邦訳されて刊行された。

3)三浦不二夫監訳:モイヤース歯科矯正学ハソドブック,医術薬出版,東京,1976.

4)Tuney,W. J, and Campbe11, A.C.:AManualof Practica10rthodontics, John Wright and Sons,Bristo1, 1970.英国の教科書で,臨床編は簡単であるが,理論編でとくに英国派の得意とする機能的な面が強調されていて、アメリカの教科書の不備な面を補うのに役立つ。小さな本ではあるが必要とする事項はすべて載っていて在学生にはとくに推奨される。

5)Graber,T.M.:Orthodontics Principles and Practice (3rd Ed.),W.B.Saunders Co , Phila-delphia,1972.著者は在学生を対象としたといっているが理論編がくわしすぎ、どこが重要であるかがつかみ得ない欠点がある。むしろ研究生向きである。臨床編はこれに反して一般臨床家向きである。研究生や大学院生の参考書としてはきわめてすぐれている.

6)Anderson G.M.:Practica1 0rthodontics (9th Ed.),C.V.Mosby Co.,St.Louis,1960.この本の特徴は矯正の歴史についてWeinbergerが大きな章を執筆していることで、矯正の思想史や装置の変遭がくわしく述べられていて、温故知新という意味で重要な貢献をしている。ともすれば一つの流儀に片寄りがちの学校教育や専門医から訓練をうける人たちに多くの広い知識を与えたいという著者の序言のように、矯正の技術を多くの装置についてくわしく述べてある。
また、学生臨床実習に参考となるアトラス類も刊行されている。

7)井上直彦,鈴木祥井:最新歯科矯正アトラス,医歯薬出版,東京,1971.

8)井上直彦,鈴木祥井,伊藤学而:最新歯科矯正アトラス臨床編I,Ⅱ,医術薬出版,東京,1975,
1976.

9)山本義茂,一色秦成:臨床歯科矯正学マニュアル,書林,東京,1977.

10)三谷英夫訳:アトラス歯科矯正学の基本理論,書林,東京,1979.
原著はBrodie門下のThurow,R.C.の“Atlas of orthodontic Principles”, C.V.Mosby,St,Louis,1977で,同じBrodie門下の三谷によって訳されたもの。臨床的背景としての筋機能をくわしく、かつ理解しやすい図で解説してある。とくに機能支持、筋の下顎コソトロール、咬合などのくだりは矯正臨床でともすれば軽視されがちだったものであるだけに貴重な情報であって、在学生にもすすめられるものである。

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