不正咬合の原因(Etiology of maloclusion)6

不正咬合の原因(Etiology of maloclusion)6

1.歯学とくに矯正学領域における遺伝(Heredity)

以上のごとく家系図を示しての歯科領域に関する遺伝的研究は相当ありますが、これについて考えるべきことは、明らかな形質的の遺伝ですが、量的に測定できないもの、またはできてもそれが正常者との差がきわめて少ないもの、あるいは歯の形の異常としてもどこからを異常というべきか、その限界のきわめて不明瞭なものがあります。

また歯列弓の形態などは親子の類似は多いけれども特殊の形態のものを除いては家系的研究は非常に困難です。

福原の研究ではこの点について、歯の形態異常または欠如は、研究者の意見を総合すると、

1)先祖返り(Atavism)
2)先天梅毒(Congenital syphilis)
3)内分泌異常(Endocrinopathy)
4)食 餌

などに関与するとしています。

とくにClyde Keelerは諸研究者により発表せられたこれらに関する12家系を集め、明らかに優性であるとしていますが、福原は、

1)個体差の類似性の遺伝が全然明らかでないこと、すなわちいかなる程度の異常がいかなる程度の遺伝をするかという問題についてなんら知られていないこと
2)これらの異常形質の困子効果の表現度(expressivity)の問題が一切不明なこと
3)欠如と矮小の2形質をおこす(と考えられる)因子関係の遺伝的解釈

などについて疑間を感ずると述べています。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする