不正咬合の原因(Etiology of maloclusion)8

不正咬合の原因(Etiology of maloclusion)8

1.歯学とくに矯正学領域における遺伝(Heredity)

また歯列咬合の異常についても最近矯正学的技術の進歩に伴い、相当な改善が可能となってきています。しかし一部の矯正学者は、不正の原因が環境的な場合は比較的矯正治療が容易であり、遺伝あるいは家族的に現れる不正は治療が困難であると考えているようです。

この点についてはにわかに同意はできないとしても、矯正治療の予後について考えるとき、とくに後返りの問題に関係が深いと思われます。

また歯列咬合状態の改善は現代歯科矯正技術をもってすれば相当の改善が可能であるとしても、顎の形態の改善は困難であることなどを考えるとき、遺伝的不調和を有する不正咬合の治療は困難であるということができます。

Graberは近著において遺伝問題について数頁をさき、大約次のような事柄を述べていますが、歯科医師として患者の治療にあたる場合必須のことです。すなわち通常な生活において、生体が親から少なからぬ形質を引き継ぐことを規定することは無理でなく、またこれらの形質が環境、個体自身、外部からの圧力、異常な性癖、栄養障害などによって影響ないし修正される可能性があります。

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