不正咬合の原因(Etiology of maloclusion)10

不正咬合の原因(Etiology of maloclusion)10

2.環境的原因(Environment)

1.先天的原因(Congentical causes)

先天的原因とは前にも述べたとおり、受胎以後出生時に至るまでの胎内生活中に生ずる種々な原因によるものであって、大別すれば次のようなことが考えられます。

1)発育障害または欠陥と考えられるもの

すでに受胎時に決定づけられた遺伝的の影響を別にして、発生中の各種突起、たとえば口蓋、上顎、下顎突起の癒合などは多く早期胎生期において行われると考えられ、引き続き歯芽細胞、上下顎骨の化骨点の形成などがあり、この時期の障害によっても下記のような遺伝的原因中に述べたと同様な種々の異常がひきおこされます。これが遺伝的要素とからみ合っている場合は出生後においてすらその判別は困難です。

(1)顎顔面裂

口蓋裂(Cleft palate)、兎唇(Hare lip)

一見して特殊な異常を示します。すなわち口蓋裂ではその破裂部分に歯が萌出するし、兎唇の場合は上唇の圧が不足のため切歯の突出を伴うことがあります。

(2)歯数の異常

欠如歯(Congenital missing)、過剰歯(Supenumerary tooth)

欠如歯のある場合は主として歯弓長は矮小となり、過剰歯のある場合はその反対となることが多くあります。いずれにしても上下顎歯弓の不調和をきたすものです。

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(3)歯の形態異常

a. 巨大歯(Macrodont)

上顎中・側切歯に多くみられ、上顎前歯突出や種々の排列不正をひきおこします。

b. 矮小歯(Dwarf tooth)

多く上顎側切歯に円錐歯(Conical tooth)または栓状歯(Peg-shaped tooth)として現れることが多く、ときとして空隙歯弓になります。

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c. 癒合歯 (Fused teeth)、癒着歯 (Concrescent teeth)

永久歯弓には比較的少ないものの、乳歯弓には割合に多く、下顎切歯に現れます。とくに癒合歯の場合は後継歯が1歯しか無い場合がおよそ50%あるので注意が必要です。とくに乳下顎側切歯、犬歯の癒合の場合は乳側切歯に後継歯を欠くことが多くあります。

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